【このページは2020年6月12日に更新しました】
「西原式育児をしようか迷っているけど、大丈夫なのだろうか。」
「西原式育児は実は危険な方法なのでは?」
この記事はそんな疑問を持っているお父さんお母さんへ向けて書いています。
前回の記事、西原式育児をしようと思ったきっかけでは、生後半年頃、離乳食をあげる時にトラブルが出てきたことをお伝えしました。
私自身も、娘が生まれて間もなく西原式育児の本を読んでいたにもかかわらず、西原式育児を取り入れるまでに葛藤がありました。
おそらく私だけではなく、他のお母さんたちが西原式育児を取り入れるかどうしようか迷う時にぶつかるであろう、いくつかの疑問と、それを解決する考え方などをご紹介したいと思います。
生後半年を過ぎると母乳の質が薄まるのではないか
これはよく懸念されていることですが、母乳が半年過ぎると薄まるとは簡単には言えません。
母乳が薄まる説は大変良く言われることですが、母乳の成分が月齢ごとにどうなっていくか実際に検証したブログを2つ発見しましたので、引用させていただきます。
・蛋白質は、300日後には、初乳の約55%に、減少する。・ミネラル(灰分)も、初乳の約70%に、減少する。・乳糖は、300日後には、初乳の約120%に、増加する。・脂質は、分娩20日後頃に、初乳の約120%にまで、増加するが、その後、減少し、分娩300日後には、初乳と同程度になる。
ようするに
↓
たんぱく質とミネラルは減少するけど、糖分は増えて、脂肪分やエネルギーはほぼ変わらない。
出産後1ヶ月から12ヶ月まで26人の女性から母乳を採取し分析した結果、タンパク質は1-6ヶ月で15-35%減少し、その後は軽微な減少あり。糖は10ヶ月まで一定で、その後はむしろ上昇した。カルシウムは6ヶ月以降、減少傾向であった。脂肪とエネルギー量は月齢による変動がなかった。とのことです。(中略)統計的には有意ですが、あんまり変わらないと言えば変わらないと思うのですがいかがでしょう?脳へのダイレクトな栄養である糖、脳を作る材料である脂肪、生きていくのに必要なエネルギー量は変わらないので、「母乳が薄くなってる」とは言えないんじゃないかなと私は思います。
こちらの方も母乳が薄くなるということは違うのではないかという結論です。
タンパク質は少し減少するのが少し気になりますね。
私の個人的な推測ですが、一番最初赤ちゃんは自分の身体に対してすごく大きくなります。
成長曲線はぐっと右斜め上に上がりますね。
その一番成長する時期にしっかりタンパク質が母乳から出てくるということではないでしょうか。
勿論お母さんがしっかり食事をとっていないと栄養が出るはずの母乳も出ないと思うので、食事に気をつける必要はあります。
実際に検証した例を見ると生後半年もすれば母乳は「薄まっている」とか「中身はカスカス」とは言えないということです。
離乳食を遅らせることが、本当にアレルギーの発症を抑えるのか疑問
離乳食を遅らせることは、現在アレルギーの発症を抑えることに繋がると思います。
しかし、授乳中の食事内容がアレルギー発症に関係があることも分かってきています。
西原先生の著書、『赤ちゃんの生命のきまり』にはざっくり書くとこのようなことが書かれてあります。
成人ではタンパク質を分解するペプシンなどの酵素があります。タンパク質は小さな分子まで分解されます。また成人の腸管は目が細かいので、綺麗に消化され吸収されます。
ところが赤ちゃんの腸は母乳以外の肉や魚、大豆などの異種タンパク質は大きな負担です。
なぜかというとタンパク質を分解する酵素が成人に比べると少ないため、また、腸管が未熟で栄養を取り込む部分がザルの目のように粗く分解しきっていない大きな分子をそのまま取り込んでしまうため、赤ちゃんにとって負担となってしまいます。
大きな分子である異種タンパク抗原は、皮下組織に回り、アレルギーを引き起こす原因になってしまいます。
参考:赤ちゃんの生命の決まり/西原克成
そうか、離乳食は腸から吸収しにくいから、赤ちゃんにとって負担になりアレルギーを引き起こすのかと思えます。
しかしながら母乳だけで育てていてもアレルギーになる場合もあります。
母乳が赤ちゃんにとっては一番消化吸収しやすい飲み物ではありますが、母乳にアレルゲンや化学物質が含まれていたら、赤ちゃんはアレルギーになりやすいのです。
母乳中には、お母様の食べた食物がごく僅かに出てきます。そのため、離乳食をまだ始めていない赤ちゃんでも、母乳を介して卵や小麦アレルギーになることがあります。
母乳中に含まれるアレルゲンの量は、アレルギー症状を起こす濃度の千分の一程度(母乳1mlあたり数十ナノグラム)です。お母様がアレルゲン食品を食べると、その後1時間から5時間程度の間、母乳中に出てきます。
母乳中のアレルゲンは、量が少ない上に大部分がIgA抗体にブロックされているため、赤ちゃんが母乳を飲んでも症状を起こさないか、ごく軽い症状のことが大部分です。それでも、4-5カ月の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎が、お母様のアレルゲン除去でよくなるケースは沢山あります。血液検査などで疑わしいアレルゲン食品が見つかった場合は、お母様の除去に挑戦してみる価値があります。
西原式育児のFacebookグループに入っていましたが、母乳のみで育てながら、赤ちゃんのアレルギーと格闘しているお母さんたちはたくさんいらっしゃいました。
アレルギーのお子さんを持ったお母さんたちはアレルギーの原因となっている、小麦、大豆、卵などを除去しながら授乳しています。
ここで、離乳食と母乳とミルクのそれぞれの身体に与えうる影響を書いてみます。
☆離乳食の場合
離乳食の場合、今は無添加でアレルゲンが除去された離乳食のビン詰めもたくさん売ってはいますが、化学物質など一般的になかなか完璧除去は難しいのではないかと思います。
また、ビタミン・亜鉛・鉄分などのミネラルも肌を再生したりアレルギーを予防するのにとても大切ですが現代の食事では補うのは難しいですね。
母乳なしで離乳食のみ、柔らかいものしか口に入れないと口の筋肉をしっかり使うことがないので口呼吸になりやすく、それもアレルギーの原因になります。(記事の一番下に関連記事を載せておきます。)
先ほどの生命のきまりに記述があったように、腸から吸収もされにくいです。
☆母乳の場合
母乳はどうかというと、母乳も花丸ではありません。お母さんの口から化学物質やアレルゲンが入ることもあります。
ただ、しっかり母乳を吸う癖さえつけば、鼻呼吸の促進にはなりますし、他のどんな食べ物より腸への吸収もされやすいです。
スキンシップで愛情が伝わりやすいのもいいですね(o^―^o)
☆ミルクの場合
ミルクも、化学物質が懸念されますね。特に日本のミルクはオーガニックなものが少ないです。
ただミネラルが豊富なので栄養面では優れものです。母乳だとそんなことはないけれど、ミルクだとコロッとご機嫌になる赤ちゃん多いです。これはミルクに含まれているミネラルの働きによるものだと感じています。
哺乳瓶の乳首がどんなものかにもよりますが、離乳食よりは口呼吸になりにくいです。
ミルクの乳首よりは母乳の方が顎の力はつきますね。また、一番月齢の低い赤ちゃんが飲む段階のミルクであれば、腸からの吸収もしやすいです。
結論として、これらのことを全体的に踏まえると離乳食はゆっくり進めた方がアレルギーが発症しにくいと私は考えます。
離乳食を遅らせすぎると逆効果でアレルギーになりやすいのか疑問
早くから食べさせることでアレルギーの発症を遅らせることができる…ということもよく言われます。
ですが、いろいろなことについて調べた結果、アナフィラキシーを起こすような食物アレルギーには、違った側面(ワクチン・自然でない食べ物)もあることが分かってきました。
例えばこのような研究結果をよく耳にします。
ユダヤ人は小さい頃からピーナッツを与える習慣があり、イスラエルに住んでいる子どもたちは乳児期からピーナッツを食べています。
しかし、欧米ではピーナッツアレルギーを心配して1歳まではピーナッツを与えないのが普通で、イギリスに住んでいるユダヤ人の子どもの90%は1歳までピーナッツを与えられていません。
このような状況の違いのなかで、イギリスに住んでいるユダヤ人の子どものピーナッツアレルギーは、イスラエルの子どもの10倍も多いことが報告されています。
つまり、乳児期からピーナッツを食べた方がピーナッツアレルギーを予防できるといえるのです。
アレルギーの原因となる食べ物を長期間与えないほうが、食物アレルギーをより治りにくくするとも考えられるようになってきました。
前歯しかない乳児にどのようにピーナッツを食べさせるか疑問ですが、ユダヤ人はそのような習慣があるんですね。
このような情報があるとやっぱり早く離乳食を与えた方がいいのか悩んでしまいます。
しかし食物アレルギーに関しては、これ以外のいろんな方向から見る必要があると思っています。
食物アレルギーになり得る原因その1 ワクチン
なんとワクチンが原因で食物アレルギーになることがあるそうです。
ワクチンのアンプル中には適切なアミノ酸まで分解されてない大型のタンパク質の結晶が含まれているという説が有ります。
こうした大型のタンパク質の結晶が、予防接種を通じて血液中に直接流入することで、体はそのタンパク質に反応して抗体を作るので、それが原因になってアレルギーを起こすという考え方が有ります。
(中略)
1980年代にはピーナッツが原因になるアレルギーはかなり良く見られるようになった症状でしたが、1990年代初頭にはピーナッツが原因になってアレルギー症状を起こす子供が爆発的に増加していきました。
いったい何が原因なのでしょうか?それは1980年代~1990年代にかけて定期接種されるワクチンの数が倍になったからです。
以下は米国で定期接種されるワクチンの数の推移です。
1980 – 20 vaccines
1995 – 40 vaccines
2011 – 68 vaccinesまだ消化管が未発達の乳児にピーナッツを食べさせるのは軽率な行為です。
しかし、それよりも悪いのが、乳児の体にピーナッツのタンパク質の塊を直接入れる事です!18か月未満の子供に36のワクチンが定期接種されます。
1980年代~1990年代にかけて定期接種されるワクチンが2倍になると同時に何十万と言う子供たちがピーナッツが原因になるアレルギー反応を示すようになりました。
時には死んでしまうような激しいアナフィラキシーショックを起こすようなケースも有ります。
ピーナッツ入りワクチンはアレルギーの原因?/千葉市で矯正と予防歯科を中心に診療しているフレンズ歯科クリニックのブログです
普通食べ物は消化管を通して、細かく分解されて吸収されます
しかしワクチンを打つことで乳幼児の血液中に直接大きなタンパク質が送り込まれ、身体の免疫システムが壊されます。
そしてピーナッツを口にした際にアナフィラキシーショックが起きてしまうということです。とても怖い話です。
上記ブログをよく読んでみると日本のワクチンにもピーナッツオイルが添加されています。
ピーナッツだけではなく、卵や小麦もワクチンの中に添加されていて、それがアナフィラキシーショックを引き起こしているというふうに言われる方も大勢います。
ワクチンは何のためのワクチンなのでしょう。
幸いワクチンに関する本を3冊読んでいた私は、ワクチンは危ないと感じていて娘にワクチンを1本も打たせておりません。
ですが、西原式育児のグループ内で、ワクチンを打たせてしまった後、ピーナッツを触らせたときに皮膚に酷い症状が出たというケースがあります。
食物アレルギーになり得る原因その2 卵・小麦・大豆…食物自体に原因がある
先ほどアレルギーは化学物質が原因と考えている漢方医の話を書きました。
飼料にも気を配った自然に育てられたニワトリから生まれた卵を食べると、卵アレルギーにはならないということがあるそうで、「卵アレルギーの方が食べても大丈夫」を売りに卵を販売している方たちもいらっしゃいます。
(2019年6月追記:現在インターネットでは、「卵アレルギーの人でも食べられる」と体験談を謳ったサイトを禁止しています。)
また、今スーパーで売られている小麦というのは、長い歴史の中で遺伝子組み換えを重ねに重ねて出来上がっているものです。
昔から品種改良が行われていない、スペルト小麦という小麦はアレルギーになりにくいそうです。
ワクチンもそうですが、人の手が加わり、自然ではないことが行われると、身体には悪い影響が出てくるということですね。
食べて治す食物アレルギーは、「3歳以降の場合」特に有効
実は私は西原式育児とは真逆の考え方の、食べて治す食物アレルギー―特異的形口耐性誘導(SOTI)という本も読んでいます。
これを読むと、rush SOTI(急速特異的経口耐性誘導)という方法があります。
これは、入院し、少しずつの量から30分毎に20%ずつ卵なら卵、牛乳なら牛乳を増やして子どもに食べさせていく方法です。
このrush SOTIの適応年齢は、著者曰く、3歳以上としています。つまり、腸の環境が整ってきた3歳以降に有効だということです。
slow SOTI(緩徐特異的経口耐性誘導)という、1日1回アレルゲンを経口摂取し、1週間ごとに30%増加させるという家庭でゆっくり行う方法もあり、この本では著者はその対象は何歳でもよいと述べています。
しかし、別の論文によると、slow SOTIでうまくいかない場合もあるという話もあります。
症例は5歳男児。乳児期に乳製品にて即時型のアレルギー反応をきたし、その後、鶏卵と乳製品の完全除去を指導されていた。
4歳の時に鶏卵に対し緩徐法による経口特異的耐性誘導療法(Slow SOTI)を施行し、解除となっている。同様に牛乳についても施行した。
結果、頻繁に即時型の反応が見られ、増量が困難であったため、急速法を併用したところ、速やかに牛乳200mlの摂取が可能になった。
しかし、維持期に摂取できていた量でも症状がみられることがあり、継続が困難となった。
参考:アレルギー
もちろん1~3歳の間で、このslow SOTIという少しずつ食べさせる方法で身体にならしていき、アレルギー反応が出なくなったという方もいらっしゃいます。
でも、西原克成医師によると、人間の成長する過程として、基本的に炭水化物は1歳半~2歳から、タンパク質や脂質は2歳半~3歳からしかうまく消化吸収できないのです。
アレルギー反応が出ていない=きちんと消化吸収できている…わけではありません。特に牛乳は上の例のようにアレルギーが出やすいようですね。
消化できなかったものは脳に影響が出る恐れがある
きちんと消化できなかったものは、血液脳関門という関門を突破し、脳に入ってしまうことがあると西原克成医師は述べています。
血液脳関門という関門は、脳は大切な臓器なので他の悪い物質が入ってこないようにしている関門(Blood Brain Barrier)で、血管内で密着融合している内皮細胞のことです。
(引用元:薬物の脳や胎児への移行)
ところが小さいうちは内皮細胞の密着融合している部分がまだ開いているのです。西原医師曰く3~5歳で閉じてくるそうです。
まだ血液脳関門が開いている子どもに離乳食を食べさせ、脳に入ってはいけない物質が到達し、そしてそれがイヤイヤ期につながってしまうと…!
実際私自身西原式育児のfacebookグループに入っていたのですが、1歳半~2歳半に起こるイヤイヤ期で困っているお母さんは本当に1人もいませんでした。
2017年11月 追記 イヤイヤ期が来てしまったお母さんもfacebookグループ内に残念ながらちょこちょこいました!何をするのもイヤー!な時期が。でも1週間程度で済んだとか。全体的にイヤイヤ期来ない子の方が多い感じはします。イヤイヤではなく自己主張に困っているお母さんもいて、自己主張の対応方法についてもfacebookグループ内で盛り上がって活発に話し合われていました。 |
イヤイヤ以外にも、記憶力や考える力だったり、そういったことを司る脳が急速に発達するのが赤ちゃんの大切な時期です。その大切な時期にいろんなものが血液脳関門を突破してしまうかもしれないと考えると、食べさせるものやどういう形で食べさせるかはよく考えた方がいいですね。
私の周りの例
これは一例ですが、私の従姉の子どもは上記の少しずつから食べさせる方式で、アレルギーもなく順調に離乳食を食べていました。しかしイヤイヤ期はキョーレツでした。
ですので、小さいうちに消化吸収できないものをいろいろ食べさせてしまうことは、皮膚でなくて脳など目に見えない部分についても考えると、ちょっとよくないことかなと感じています。
他、私の知り合いのおじいさんが言っていた一言が、すごく私を後押ししました。
「離乳食、はて…昔は離乳食なんて1歳過ぎてからだったけどなぁ…」
昔は離乳食は1歳過ぎてからだったというのは本当だった!
生後6ヵ月に無理に離乳食を与えなくてもいいんだなと感じました。
西原式育児の書籍紹介
インターネットで西原式育児の情報を集めようと思っても断片的で難しいかもしれません。
やっぱり本当の情報を得ようと思ったときには本を読まれると、この西原式育児がなぜ効果的なのかということがよく分かって頂けるかと思います。
特にこの「赤ちゃんの生命の決まり」は本当にオススメです。
赤ちゃんって大人と違ってそういう身体なのか!!と知らないことがたくさんあっておもしろかったです。
「知って考えて育てよう」と表紙にも書いてありますが読んだ後に西原式育児をやるかどうかを決めてもいいと思います。
今子は3歳と2歳ですが、今でも私はいい考え方だと感じています。是非、自分でまず知ってから判断してみてください。
また、お母さんは世界一の名医、こちらも、育児に対して私がしっかりしないといけないんだなと気持ちがシャキッとします。
こちらの方が上記の本よりもページ数が少なく、また平易な文章ですぐに読むことができます。
終わりに
ということで結論を申し上げますと
母乳が薄まるとは単純に言えないので、そのことを気にしなくてもいいこと
離乳食を遅らせることは、アレルギーの発症を遅らせる意味があると同時に、アレルギーにならないように母乳にも気を付けないといけないこと
食物アレルギーは離乳食の開始時期が遅いことで発症してしまうのではなく、食物アレルギーの背景にワクチンや、自然でない食べ物の影響もあること
少しずつ食べさせる方法でアレルギーは改善させることができるかもしれなくても、脳への影響を考えると離乳食はしっかり遅らせた方がいいこと
…ということで西原式育児は赤ちゃんにとっては、危険でも何でもなく、むしろとっても安全な育児だということを分かって頂けたら嬉しく思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。西原式育児をやろうか迷っている方が、参考にして頂けたら嬉しく思います。
次回、実際に西原式育児をしていく上で、どういう不安や障害があるかを綴っていきたいと思います。
次の記事はこちら→離乳食をぐっと遅らせる西原式育児は実際できるのか
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